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嫌われる女の子

本スレURL:http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244915887
2 :名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 03:53:29 ID:K8l+HUt/
立てるだけってのもなんだから、ちょっと書いてみる。

今日の晩御飯も、結局手を付けられることもなく冷めてしまった。
いつも通り、兄は22時ごろ帰ってきて、いつも通り、由香と由香の用意した晩飯を無視して就寝した。
いつも通りなのだ。なのだが、いつも通り、由香は心が傷んだ。
彼女と彼の1日を説明すれば、由香が先に起床し、後から起床した兄に「おはよう」と声をかけ無視をされ、
「朝ごはん、よかったらたべて」と言っては無視をされ、「行ってきます」と独り言のようにのこして学校へ行く。
午後は由香が学校から帰ってきて家事をして、兄のアルバイトが終わる時間を見計らって晩御飯を用意して、あとは前文の通りである。

簡潔に言って兄である健一は妹の由香を嫌っていた。正確を期すならば、家族を嫌っていたと言える。
しかし両親が交通事故で他界し、それからというもの半年近く二人暮らし。そんな中でも未だに会話できていない。
正確に言えば、由香は頑張って話しかけるのだが、健一はそれを無視するのだ。

一方、由香は兄が怖かったが、彼は同時に憧れの対象でもあった。兄は昔から何でも一人でやってのけてきた。
彼が家族と接しないように生活をしていた事もあって、それは家族愛の情というよりも寧ろ、青い春のそれである。

斯くして、今日も由香は独りその身を慰める。

8 :名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 03:31:17 ID:HnvQ7VCk
嫌われるツンデレとか見たいage

10 :名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 10:15:49 ID:wVbFb56/
>>8
嫌われて誤解されまくり超凹むツンデレ美少女か
最高じゃないか

ついでに>>10ゲト

15 :名無しさん@ピンキー:2009/06/16(火) 09:12:11 ID:6TkwCkuR
頼むから>>2の続き書いてくれ
というかなにこの>>1文才ありすぎ

18 :名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 01:08:28 ID:VNMKM6BO
>>8
>>10
>>12-15
こんな感じの設定のが読みたいとです

20 :告白 ◆UsjP9J/qHI :2009/06/18(木) 03:22:22 ID:Iy5mhFNu

 今にも降り出しそうな分厚く薄暗い雲の下で、アコの小さな胸は破れんばかりに
高鳴っていた。「好きです」精いっぱい声を出したつもりだが伝わっただろうか、彼に。
校舎に囲まれた中庭の片隅、1メートル半離れたところでズボンのポケットに手を入れて
こちらを見ている彼に。
「……あのさ」
 アコにとって永遠とも思える沈黙の果てに、その少年――ナオヤはぽつりと口を開いた。
「俺、彼女いるから……」
「あっ」アコがはじけるように声をあげた。「そっそうだよね、そうだよね、あははっ」
笑い声が上ずり、震える。頬が不気味にひきつっているのが自分でもわかるが抑えられない。
 アコは知っていた。女子に人気のあるナオヤが、特にあの女と一緒にいるところをよく
見かけていたから。きっと彼女が彼の恋人なのだろうと思っていた。
 自分は彼とまともに話したこともない。ただ教室の隅っこから勝手に見ていただけだ。
そんな自分が告白なんてしたところできっと振られるのが落ちだろうと思っていた。
「えっと……高村、だっけ」ナオヤが言葉を探るように、アコの苗字を呼んだ。
「ごっごめん、ごめんね」アコはそれをさえぎってまくしたてた。それ以上何かを聞くのが
怖かった。
「私っほんとごめん、いきなり、あのバカなこと言っちゃって」
「……うん」
「私が勝手に好きで、あの、好きなだけだから、ほんと、つきあうとか、全然」
「悪いんだけどさ……」
「うん」
「その、勝手に好きっていうのも、けっこう困るっていうか……」
 頭を割られるような衝撃を感じた。立っているのがやっとだった。
「そっそうだよね、私っこんなチビだし、暗いし、バカだし、迷惑だよね」
「なんか彼女に悪いしさ」
「ごめんねほんと、気持ち悪いよね私」
「まあ……」
「えと、あの、もうこんなこと言わないから、ほんと、えと……」
「あの……もういいかな」
「あっうん、ごめん、ほんと、変なことで呼び出しちゃって、ごめんね」
「じゃあ」そう言うとナオヤはすぐアコに背を向けた。彼の視界から自分がいなくなった
ことにほっとして、アコは息をついた。
 涙があふれて顔がぐしゃぐしゃになっていた。鼻水も出ている。いつからだろう?
 彼に見られただろうか?
 見られたのなら、もっと嫌われたかもしれない……。
「――ほんと、バカ」薄笑いをうかべてつぶやいた。「まだ彼のこと考えてる」

24 :名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 23:45:18 ID:IZLxnDt7
>>2の兄妹の状況を勝手に推測してみる
開示されている情報は以下の通り

・兄妹二人暮し
・兄は家族が嫌い
・両親が交通事故で他界
・兄は昔から自立志向が強かった
・兄は家族と接しないように生活していた

最後の一個を兄は、家族と"接しないで"長年暮らしていた、と拡大解釈してみると、こうなる

「兄と妹は割りと歳が離れていて、兄は両親と元々不仲であり、妹が幼少の頃には、さっさと家を出て独立してしまった
 それ以来、妹は兄の自立心を尊敬していたが、兄のほうは、幼い妹のことを好き嫌い以前に、両親の付属物程度に思っており
 家族その物ときっぱり縁を切ったつもりでいた。

 しかし、ごく最近、両親が交通事故で高いし、一人遺された妹を、必然的に兄が引き取ることになる。こうして始まる二人暮し
 妹は世話になっている兄のために、家事全般をせっせとこなして尽くそうとするが、兄は嫌っていた両親が遺した
 しかも長い間接点のなかった妹との接し方が分からず、また妹が時折見せる両親の面影への憎しみも相まって、複雑な感情を抱いている

 さあ、これから二人の生活はどうなるのか?」

というところでは、どうでしょう?>>1

25 :名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 23:46:46 ID:7pLaM6HN
>>24
なんだ天才か

26 :名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 00:20:17 ID:O/oYiYSq
>>20-21
うはwwwうざ可愛いw
これは萌えた、相手の男がいいふらしてて
晒し者にされる展開が待ってそうなキャラだ

>>24
ナイス設定補強

27 :名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 01:20:05 ID:Hthm61ZK
>>24
その設定読んでたら妄想が止めどなく溢れてくる・・・
文才さえあれば・・・

28 :名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 05:20:35 ID:6DoIZvDG
>>2の続きはまだでしょうか…?

76 :名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 02:37:10 ID:fMRphU9U
脅迫型だったら、こっちの方が相応しいだろうけど
「弱みを握られ泣く泣く……」のSS part2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231164460/

これは一応、彼氏に嫌われて売られちゃうタイプかな?
何にせよ、続きを待ってます

77 :名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 15:22:22 ID:gL7e1Vad
>>76
おっしゃる通り、彼氏に嫌われる女というつもりでした
でもそちらのスレの方が相応しかったかもしれません。すみません。
ご指摘ありがとうございます。以後熟考してから投稿したいと思います
続きはまとめて書いて投稿したいと思います


89 :名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 10:10:26 ID:cbz6ALhO
投下しますー
誰も報われないENDですので、ご注意を。

>>20の「告白」を読んで思いつきました。

148 :やぶ:2010/02/22(月) 10:15:07 ID:wGH3/oyr
投下します
嫌われ少女1

「なに睨んでんだよ、ネクラ女!」
違う。私が見ていたのはその向こう、青空を自由に羽ばたく鳥達だ。
「てめっ、さつきのくせに無視しやがって!生意気だ!」
そのままぼんやりと空を眺めていたら、思ったよりも近くで声がした。
と同時に、拳が少女の俯いた小さな背中に突き刺さる。
「うっ!」
片目を塞いだ包帯の影から、絆創膏を貼った男子の脚が見えた。
「ご、ごめんなさい、ゆーく…、祐樹くん」
そのまま目線をさげると、4−2宮田、と書かれた上履きが目に入る。
「謝んなら顔あげろっていつも言ってんだろ!」
少年の手が少女の艶やかな黒髪に伸び、強引に上を向かせた。
左半分を包帯に覆われた痛々しい顔に、拘束を免れた髪がはらりとかかり、
少年の指を優しくくすぐる。
驚いた少女の小鹿のような瞳が一瞬見開かれ、少年の視線と絡まる。
「ごめ…さい…」
少年の本気で怒った顔。
怖い…。
少女はそれを視界に入れた瞬間、目を伏せ、再度謝罪の言葉を口にした。
だから、気付かなかった。
少女に目を逸らされた瞬間、少年のそれが泣きそうな顔に変わったことを。
「祐樹すげー!おまえ、サダ子怖くねーの?」
一緒のグループにいた他の少年が、祐樹に称賛の声をあげる。
「あ?さつきはただのネクラチビだし。井戸に引きずりこむような力ねーよ」
祐樹、と呼ばれた少年が有名なオカルトムービーの話題を出すと、
「やーん、祐樹くん呪われたら絶対許せなーい!」
女子たちから黄色い悲鳴があがった。
スポーツ少年団のサッカー部に所属し、4年生ながら不動のレギュラーに選ばれる
ほど運動神経がよく、歳の割りに背も高くて甘いマスクをしている祐樹は、
他の学年の女子からも人気があるぐらいモテる。
それでいて他の男子から嫌われない、高い社交性も持ち合わせていた。
「いやー、マジでサダ子に突っ込み入れれんの祐樹ぐらいだって」
「そうそう、俺なんて隣りに並んだだけでゾワゾワっと背筋が」
「じゃあ大輝は牛乳嫌いなおさねーと、いつまでたってもサダ子の隣りだな」
男子でもっとも背の低い大輝は、女子で、というか学年でも断トツに背が低い
さつきの隣に列ぶことが多い。
「うわー、いきなり俺いなくなったら、まじサダ子に呪われたと思って!」
大輝のおどけた声にクラスのみんなが笑う。
さつき以外のみんなが。


「きみ、さつきちゃんだよね!?」
放課後、校門を出て程なくマイクを構えた軽薄そうな若い女性と、カメラなどの
撮影機材を抱えた数人の男達にさつきは囲まれた。
「わー、あれからまだ2ヶ月しか経ってないのに、もう通学してるんだ!」
さつきの小さな肩がビクッと震えた。

149 :やぶ:2010/02/22(月) 10:20:56 ID:wGH3/oyr
>>148続き
嫌われ少女2

「やっぱり亡くなったお友達がみんな、唯一生き残ったさつきちゃんに味方
してるんだね!どう?あの不幸な転落事故から2ヶ月経ったわけだけど、
今の心境を聞かせて貰えるかな?」
いつも俯きがちな少女の顔が、完全に下を向いた。
「楽しいはずの遠足旅行、それを襲った悲劇!なんと〇〇小学校4年1組の
子供達を乗せたバスが崖下に転落、その惨劇で唯一生き残ったのが、ご存知この
さつきちゃんなのです!」
黙りこくってしまったさつきを前に、女性レポーターが解説を入れて間を持たす。
「さつきちゃんはなんとご両親も交通事故で失っており、その時もさつきちゃん
だけが奇跡的に助かっているのです!」
個人情報保護法などてんで無視したレポートを、ダラダラとカメラの前でたれ流す。
「んー、さつきちゃん、何かコメント貰えないかな?おじさん達も仕事で
来てるから、忙しいんだ。4年生にもなればわかるよね?」
プロデューサらしき男が、貝になってしまった少女に脅しともとれるような
口調で話しかける。
「さつきちゃん、まだ難しくてよく解らないだろうけど、あなたの命は運転手
の過密スケジュールを改めさせるために残されたと思うの。あなたはたった
一人の生き残りなんだから、皆の命を無駄にしないためにもコメントする
義務があるわ」
レポーターの一方的で無神経な言葉が少女の心を傷つけ、無惨に踏みにじる。
「カメラON!OK?…どうやらお友達のことを思い出してしまったようです」
少女の小さな身体が細かく震え、アスファルトに小さな水滴を垂らすと、
それを収めるべくカメラが廻りだす。
「こらー!さつき、おまえなに勝手に一人で帰ってんだ!」
その時、カメラに立ち塞がるように一人の少年が駆け寄ってきた。
「おっと、泣いてしまったさつきちゃんに一人の少年が駆け寄りました。
4年2組に転入されたさつきちゃんの、新しいお友達でしょうか?」
闖入者にカメラを向けると、レポーターがマイクを向ける。
「あ?俺は【新しい】お友達なんかじゃねーよ。それよりオバさん達、
ちゃんと撮影許可取ったのかよ?」
「お、オバ…!」
「最近のガキはネットで変に知識がありやがるな」
絶句したレポーターに代わり、プロデューサらしき男が割って入った。
「カメラ止まってるな?おい坊主、このお嬢ちゃんはな、ご両親が
いらっしゃらないから、許可の取りようがないんだよ」
ふふん、と小ばかにした表情で男が詰め寄るが、少年は一歩も引かない。
「あ?おっさん馬鹿?両親がいなきゃ保護者がわりの人に許可取んなきゃダメ
なんだぜ?事前調査どころか、一般常識も無いんだな」
「はいはい、撮影の邪魔だから」
スタッフの一人が祐樹を排除しようと手を伸ばす。
が、その手をするりとかわし、馬鹿にした表情を浮かべる祐樹。
「はっ、トロくせー!やっぱ〇×局ってろくな人材いないんだな!」
「このガキ!?」
あっさりと挑発にのった一人が掴みかかってきた。
しかしまたも簡単にかわすと、持っていたサッカーボールを足元に転がす。
「あだっ!?」
「おいおい、いい加減にしないと、俺も本気だすぜ?」

150 :やぶ:2010/02/22(月) 10:28:33 ID:wGH3/oyr
>>149続き
嫌われ少女3

転がったスタッフには目も向けず、その場を取り仕切るプロデューサに挑発的な
目線を向ける祐樹。
「はっはっは!言うじゃねーか、ガキが。ほれ、本気出してみなよ?」
「では遠慮なく」
余裕満面の男の鼻先に、祐樹が小さな犬の玩具をつきつける。
「?」
プロデューサが、ん?という表情を浮かべた次の瞬間、その犬の玩具が
けたたましいサイレンを鳴らした。
「誰かー!変質者がいまーすっ!助けて下さーい!」
「こっ、ガキがっ!」
その大音声を至近距離で受けたプロデューサが、耳を押さえて身もだえる。
「ヤバいっすよ、佐々木さん。この間厳重注意うけたばっかりっすよ、うちら」
「さーちゃん、取材はまたにしましょ」
流石に騒ぎが大きくなるとまずいのか、他のスタッフ達が及び腰になった。
「ち、くそ!おい、今日はやめだ!」
プロデューサの言葉に撮影スタッフ達が先を争うように車に乗り込む。
「はっ!おとといきやがれ!」
走りさるワンボックスカーに中指を追っ立て、舌を出す祐樹。
「おおい、なにかあったのか!?」
サイレンを聞き付けた、近所のおじいさんが塀ごしに顔をのぞかせた。
「あー、ごめんごめん、ただの誤作動だから!」
「こら!防犯ブザーを遊びにつかっちゃイカんぞ、このイタズラ坊主め」
「へへ、ごめんね」
「まったく…」
ぶつぶついいながらもホッとした顔で帰っていくおじいさんに頭を下げると、
祐樹がくるりと振り向く。
「祐樹…くん…?助けてくれた…?いたぁっ!?」
次の瞬間、さつきの包帯を巻いていない方の頭に
ぐりぐりと拳がめり込む。
「お・ま・え・は、な・に・ひ・と・り・で、帰ってんだよ!?」
「だだだって、ゆーく…、祐樹くん、今日練習があるんじゃ…?」
今日は5、6年生は6時間授業、2年生以下は4時間授業なので、4年生は
3年生と一緒に下校なのだが、さつきの登校班には3年生はおらず、中学年下校は
彼女と祐樹の二人きりだ。
「あー、うん。今日は、自主的休暇」
「そんなことしてたら、せっかくレギュラーなのに補欠になっちゃうよ?」
「うっせ!んな心配ならマネージャーでもしやがれ。たっぷりこき使ってやる」
「…私がマネージャーなんかに入ったら…」
「よー、熱いなお二人さん!」
その時、二人に場違いなほど元気な声がかかった。
「祐樹、今日は3年生から告白か?って、げ!サダ子!」
声の主は大輝だった。
「ちっ、俺よりチビっぽいから、てっきり3年だと思ったのに」
同学年で大輝より小さいのはさつきぐらいだ。
「うちらの登校班に3年生はいないからな」
「あー、そうなんだ」
「それより大輝、なんでこっちに?」
大輝の下校ルートは別の道のはずだ。
「あ?うん、この先の病院に昨日忘れ物しちゃってさ。にしても、祐樹って
サダ子と同じ登校班なんだな」
目を合わすと呪われるとでも思っているのか、けっしてさつきの方を見ようとしない。
また涙が滲んできたのを感じ、さつきは顔を伏せた。

151 :やぶ:2010/02/22(月) 10:31:20 ID:wGH3/oyr
>>150続き
嫌われ少女4

「災難だな。俺だったら怖くて学校いけねーよ。あ、それともホントはサダ子
と友達だとか?」
「さつきと俺は【友達】じゃねえ!」
珍しく祐樹が声をあらげて否定する。
「あ、いや。べつにさつきなんて怖くねーって。あ、そうだ!勝手に帰った
罰として、さつきはうちらのカバン持ちな。大輝もホラ、そのカバン持たせろよ」
大声をあげてしまった照れ隠しか、祐樹は大輝のカバンをむしり取り、さつきに押し付ける。
「い、いいって!サダ子にんなことしたら、マジに呪われて殺されちまう!」
「だーかーら、さつきにンなこと…」
「…いらないもん…」
その時、ずっと顔を伏せていたさつきが顔をあげ、祐樹を睨む。
「あ?」
「友達なんていらないもんっ!ゆーくんのバカぁっ!」
押し付けられたカバンを祐樹に押し返し、さつきはいきなり駆け出した。
「…な、なんだよ、さつきのヤツ…」
いつもなら俯いたまま黙って受け取るはずの少女の意外な反抗に、思わず呆然とする祐樹。
「お、俺、こっちだから!」
「あ、ああ。じゃあまたな」
なので、病院はそっちじゃないことや、大輝の顔が何故か赤らんでいることにも
気付かず、生返事を返したのだった。

152 :やぶ:2010/02/22(月) 10:36:25 ID:wGH3/oyr
>>151
嫌われ少女5


虐められたクラスの皆に復讐するため、事故に見せ掛けみな殺しにする呪いをかけた。
その事故に自らも巻き込まれることで疑いを逸らし、万が一生き残った生徒は
警察が来る前にトドメを注した。
ケガがないと怪しまれるので包帯はしているが、実はダミーで全くの無傷。
サダ子ことさつきを取り巻く噂は幾多にも上る。
女子達はまことしやかに噂し、大輝達も鵜呑みにしてこそいないものの、
さつきの陰欝な雰囲気からもしかしたら、という思いを持っている。
小心者の大輝はまともにさつきと顔を合わせたことすら無かった。
しかし。
つい先程のシーンが脳内で再生される。
ゆーくんのバカぁ!
そう言って涙を浮かべたさつきの姿はとても可憐で。
それを自分に向けられていないことに、軽く嫉妬を覚えたほどだ。
初めてみたサダ子の顔は凄く可愛いくて、大輝の心をわしづかみにしたのだった。
「なんだよ…。サダ子って、すげー可愛いじゃん…」
また見たい。
いや、今度はもっと泣きじゃくる姿を見たい。
そして、許しを願う姿を見たい。
それも他の誰かではなく、大輝自身に泣き付く姿を。
「ずりーなぁ、祐樹は。サダ子のこと独り占めにしてたんだな」

157 :やぶ:2010/02/23(火) 12:30:08 ID:lSHmbAVd
皆さんありがとうございます。ご期待に沿える内容だと良いんですが。
>>152続き
嫌われ少女6

「ゆーくんのバカ!バカバカバカ!だいっキライ!」
だいっキライ。
なのになぜ、友達でないと否定されたのがこんなにも悲しいのか。
祐樹は、さつきがもの心ついた時はすでに一緒にいた友達だった。
甘えん坊のさつきに対して、頼れるお兄ちゃん的な存在ではあったが、
少なくともずっと一緒にいてくれた存在だった。
同じ幼稚園を卒園し、祐樹がサッカーを始めるまでは、もう一人の親友、
未奈ちゃんとの3人でよく遊んでくれたのだ。
「あ…」
気がついたらその未奈ちゃんが住んでいたマンションの前に着いていた。
「あら、お帰りなさい、さつきちゃん」
そのマンションの入り口に、さつきに手を振る女性が一人、にこやかな笑みを
浮かべ佇んでいる。
「未奈ちゃんの…、お母さん…」



「いやぁぁぁっ!」
美奈代は悲鳴を上げながらベッドから跳び起きた。
「はぁっ!はぁっ!」
ドキドキと息苦しいほど心臓が脈打つ。
嫌な夢を見た。
最愛の娘、未奈が事故に巻き込まれ、命を失う夢だ。
「バカね、そんなはずないのに」
時計を見れば3時をちょっとすぎたあたり。
そろそろ未奈が帰ってくる時間だ。
昼ドラをみながらついついうたた寝をしてしまったようだ。
「そうだ、たまには下まで行って未奈を出迎えてあげよっと」
きっと大親友のさつきちゃんとふざけ合いながら帰って来るだろう。
そう、いつものように。


「あら、お帰りなさい、さつきちゃん」
マンションの入り口に降りると、ちょうど小学生の女の子が通りかかるところだった。
包帯で顔半分が隠れていたが、綺麗な黒髪とそれを纏める髪飾りで見間違えようがない。
あの髪飾りは未奈がさつきちゃんの誕生日に贈った物だ。
「さつきちゃん、どうしたの?そんな大怪我しちゃって…」
心配になって近付くと、さつきの身体がびくっ、と震えた気がした。
「あ、あの、未奈ちゃんのお母さん、あの…」
心なしか後退りしているような。
「ふふ、怒ったりしないわ。それに、小さいうちはそれくらいお転婆な方がいいの」
さつきの顔に困惑とも怯えともとれる表情が浮かぶ。
「あっと、ごめん。さつきちゃんうちの未奈と同級生だった。うー、さつき
ちゃんて小さくて可愛いらしいから、ついつい間違えちゃうのよね」
あはは、と笑うと、ふ、と違和感が浮かぶ。
気付いてはいけない。気付いたらダメ。
心のどこかが懸命に叫ぶ。

158 :やぶ:2010/02/23(火) 12:35:36 ID:lSHmbAVd
>>157続き
嫌われ少女7

「さつきちゃん、もうレディなんだから絶対顔に傷なんて付けちゃダメよ?」
聞いてはいけない。聞いてしまったら、つらい思いをする。
心の声は絶叫とよんで差し支えないほどだ。
だけど…。
「ところで、うちの未奈は今日は一緒じゃないの?」
さつきの顔に、はっきりと怯えの感情が刻まれた。


「珍しいわね、喧嘩でもしたの?」
きっとそうだ。
だから私に会うのが気まずくて、さっきからさつきちゃんは怯えてるんだ。
だから、頭に浮かぶ、病院のベッドで安らかに寝ている未奈の記憶は、さっきの
悪い夢が見せた幻覚に過ぎない。
「未奈は後からくるんでしょ?」
無意識のうちに、後退りするさつきに手が伸びる。
「お願い、何か言って!未奈は…、未奈は後から来るんでしょ!?」
捕まえた小さな肩をガックンガックンと揺さぶる。
「ごめ…なさ…、ご、…なさい…!」
「なんで!?なんで謝るの!未奈は!?うちの未奈は!?」
気が付くと肩を掴んでいた両手は、さつきの簡単に折れてしまいそうな
華奢な首を締め上げていた。
「くっ…!かはっ!」
娘の大親友に手をかけていることに気付いても、その手を離すことが出来ない。
「何か言いなさいよ!私の未奈をどこにやったの!」
少女の小さな身体を押し倒し馬乗りになると、捕まえた首を揺すり、
ガスガスとアスファルトに叩きつける。
ヌルヌルとした感触が少女から溢れ出した血だと認識しても、その手を止める
ことに繋がらない。
「未奈を返して!未奈をかえしてよおぉっ!」
すでにぐったりとしたさつきをなおも振り回し、地面へ何度も叩きつける。
真っ白だった包帯に真紅のバラが咲き乱れた。
その瞳は緩く閉じられ、病室のベッドに横たわった娘の姿とダブる。
「黙ってないで応えなさい!」
そして、ついに致命的な言葉が口から飛び出した。
「あなたが、代わりに、死ねば良かったのよ!」


(未奈ちゃんのお母さん!)
優しげに微笑む女性を見て、さつきの胸がきんきんと痛む。
親友の母親。
両親のいないさつきに、本当の母親のように接してくれた存在。
勉強を教えてくれたり、お料理を教えてくれたりもした。
そして時には、未奈ちゃんとのイタズラが過ぎて、二人してお尻をひんむかれ、
尻を叩いて本気で怒ってくれた。
だけど二人で泣きながら謝ると、お日様みたいな笑顔を浮かべて、ギュッ、と
抱きしめてくれた、本当の母親のような存在。
しかし…。
その笑顔は娘の未奈を失ったと同時に、永遠に失われてしまった。
泣きながら自分の首を締め上げる美奈代を見て、さつきの心が痛む。
硬いアスファルトに叩きつけられ、事故の時に負った傷口が開いて血が
溢れ出したが、本当に痛いのは心だった。
目が霞む。
美奈代の瞳から滴り落ちる涙の雫が、まるで硫酸のようにさつきの心を穿ち、ずたずたにする。
意識が朦朧としてきたとき、その手に何かが触れた。

159 :やぶ:2010/02/23(火) 12:40:38 ID:lSHmbAVd
>>158続き
嫌われ少女8

(防犯ブザー…?)
先程、祐樹がテレビ局の人達を追い払ったのと同じ物だ。
スイッチを引っ張れば内蔵されたブザーが大音声をあげ、異常に気付いた大人が
狂ったようにさつきをアスファルトに叩きつける美奈代を止めてくれるだろう。
しかし…。
防犯ブザーを握りしめた手がゆっくりと開き、地面に落ちる。
もしこの光景をみた人が通報して、未奈ちゃんのお母さんが警察に連れて
いかれてしまったら…。
親友の親を、さつきに母親を感じさせてくれた人を犯罪者にしたくない。
自分さえ我慢すれば…。
視界が黒く染まり、叩きつけられる痛みがまるで他人事のように感じ始めてくる。
これなら我慢出来る。
そう思い始めた時、美奈代の口が違うことを叫んだことに気付いた。
アナタガ、カワリニ、シネバヨカッタノヨ!
最初、何て言われたのかわからなかった。
しかし、意味が理解出来た瞬間、心が音をたてて折れた。
大事な、とっても大事な何かが音をたてて潰れた。
「…なさい…。私が…、生きてて…、ごめんなさい!」
滝のように涙が溢れ出した。


言ってしまった。絶対に言ってはいけないことを、ついに言ってしまった。
我に返り、娘同然に思っていた少女を抱きしめる。
その少女は瘧のように身体を震わせ、自分が生きていることをひたすら謝っていた。
「ごめん!ごめんね!さつきちゃんが悪いわけじゃないのに!許して!ごめんなさい…」
必死で謝るが、美奈代の言葉はもう少女の心に届かない。
こんなに強く抱きしめているのに、少女の心はここにいない。
「あ…」
美奈代の手が真っ赤に染まっていた。
さつきに巻かれた純白の包帯は、いつの間にか真紅に染まっている。
「た、大変!きゅ、救急車!」
慌てて抱きしめていた手を離す。
「大丈夫です…。ごめんなさい…」
抱擁をとかれ、夢遊病者のようにフラフラと歩き出すさつき。
「だ、大丈夫ってそんなわけ…」
電話をかけようと立ち上がった美奈代が見たものは、少女の完全な拒否だった。
ゆっくりと歩み去っていくさつきの背は、なにもかもを拒否している。
それを痛切に感じ取った美奈代は、それ以上声をかけることが出来なかった。



あ…、お夕飯の支度しなくちゃ。
7時を回っていることに気付き、のろのろと立ち上がった。
どこをどう通って帰ってきたのか覚えていない。
が、ちゃんと帰ってはこれたらしい。
あ、その前に包帯代えないと…。

160 :やぶ:2010/02/23(火) 12:47:05 ID:lSHmbAVd
>>159続き
嫌われ少女9

乾いてパリパリになった包帯を剥がすと、新たに血が噴き出てくる。
しかしその量はもうそれほどではない。
汚れてしまった包帯とガーゼをパックに詰めると、救急箱を取り出し意外なほど
馴れた手つきで処置を進めていく。
消毒液に浸した綿棒でこびりついた血痕を浄め、清潔なガーゼをパックから
取り出すと軟膏を塗り込む。
それを傷口に当てて押さえながら、手際良く包帯をくるくると巻き付け、
あっという間に包帯の巻き直しが終わった。
看護助手をしながら看護学校に通う、姉の奈々絵による教育の賜物である。
「今日はなんにしようかな…」
ふさぎ込みそうになる気分を吹き飛ばすため、わざと声に出してみた。
冷蔵庫を開けて中身を確認すると、ビールに押しやられて食材はかなり品薄だった。
「あ…。お買い物忘れちゃった…」
仕事と正看の勉強に忙しい姉に代わり、さつきが台所を預かっているのだ。
「……」
急げばまだスーパーの閉店には間に合うが、先程の騒ぎで痛めたのか右足が痛い。
「ごめんね、お姉ちゃん」
今日は簡単な料理で勘弁してもらおう。
取りあえずみそ汁を作ろうとまな板と包丁を取り出し、葱を刻む。
指を切らないよう猫手で葱を押さえるのを教えてくれたのは、未奈ちゃんのお母さんだ。
「この包丁、また磨いでもらわないと…」
切れ味が悪くて繊維が潰れ、涙が止まらない。
グスグスと泣きながら、夕餉の支度を進める。
今夜は料理を作り終えるのに、ちょっと時間がかかってしまいそうだ。
とうに葱など切り終わったのに、さつきはいつまでも涙を拭っていた。

181 :名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 02:26:20 ID:OO4W43W/
寝る前に妄想シチュだけ
学園もの

男:生真面目かつ努力の鬼。
しかしながら子供の頃から女には勉強もスポーツも勝てず二番手に甘んじてきた。
女に対して強烈なライバル意識とコンプレックスを持つ。
かつては女の事が好きだったが、現在は女への対抗心と嫉妬でそれどころではない。

女:男の幼馴染み。
所謂リアルチートで勉強、スポーツ、容姿全て断トツトップ。
しかし、本人はそれを全く鼻にかけない良い子(それが更に男のコンプレックスを刺激する)。
幼いころから男一筋を貫いてきたが、最近男が冷たい(本人目線)ので心を痛めている。
夢は男のお嫁さんと精神的にファンシー。

・期末テスト。
男、プライドにかけて女に勝とうとするが全敗。
悔しさの余りテストを見せに来た女(悪気なし)に当たり散らし、終いには行為を強要する男。
ひとしきり終わった後、自分の行いの惨めさに気付いた男、更に責めを激しくしてゆく…

陳腐過ぎるか?

183 :名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 21:00:05 ID:AgBRDorq
>>181
良いね、当然男からそんな目にあっても自分が悪いのだと思い込んで
男に対して気遣いをみせたり健気な行いをして
余計に男の劣等感と惨めさを煽り立てちゃうんですね。

好きな男に性的暴行を受ける見た目も性格も最高な女の子可愛いぜ

184 :名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 03:09:38 ID:Zo9QLDSY
>>181
このスレに相応しいおにゃのこだ
心身共に男の手でズタボロにされるところを是非詳細に書いて欲しい

185 :名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 01:04:25 ID:GohweIKX
>>181の設定で書かれたSSの投下マダー?

193 :名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 23:49:14 ID:6IBlXn51
内気で口べたで友達がいないっていうのは「嫌われる」に入らないかな

194 :名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 00:46:04 ID:zk8ZkqGk
>>193
そのキャラで好きな男に嫌われたりしてたら最高だな

195 :名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 23:55:35 ID:IzU7B8bq
>>194
奥手だから男を好きになるっていうのが
まだわからない、ってことにしたいんだけど
でもそうすると年齢設定をどのあたりにすると萌えるんだろう…
いっそ一桁にしちゃおうかしら

196 :名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 00:20:03 ID:2ztH2eac
>>195
いや別に高校生くらいでも、家(親)が厳しくて (所謂「良家・名家」だとなお萌え)
未だに「男女7歳にして席を同じゅうせず」・・・という考え方で
幼稚園からずっと女子校で過ごしてきたんだけど、親のどっちかが
「このままじゃアカン。ずっと同性ばかりの環境じゃ、社会に出てもやっていけない」 と、共学の高校に入れる・・・
って、状況ならイケるんじゃないか?
(まぁ・・・大学生でも社会人1年生でも、この設定は生かせるんじゃない?)

「男の人って恐そうだし、どうやって話しかけていいかわからない。
だけどあのひとが気になるの・・・」
とかいって。

197 :名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 00:49:49 ID:xLtU5Q5L
>>195-196
だけどその女の子が好きな男は一々びくびくオドオドする女の子が嫌いなんですね

203 :悪妻からの手紙:2010/05/29(土) 11:54:03 ID:d1AbABld
保守がてら投下。
鬱?と直接的表現ではないが死の描写注意。
NGはタイトルでお願いします。

207 :悪妻からの手紙 :2010/05/29(土) 12:00:03 ID:d1AbABld
以上投下終了。
投下してから、ニーズがあるとは思えないことに気がついた。
古文の現代語訳みたいなノリで読んでいただけたら幸い。

それではスレ汚し失礼しました。

208 :名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 19:50:19 ID:3DnKAg6S
>>203-207
乙です
需要ならここにあります!
こんな嫁を俺も欲しい…そしてこんなけスレタイに合致してる話も珍しい

209 :名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 23:38:43 ID:mAFeBv3f
>>207
GJです。
いま脳内を「大奥」のテーマが流れてる。w

210 :名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 23:44:57 ID:Y47o+JIt
>>207
なんて可愛らしいお嫁さん
不憫過ぎる…
でも、なんか色々と欝萌えた

216 :名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 17:56:35 ID:+2bAKvIJ
>>207がGJ過ぎた
また書いてくれないかな

223 :名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 10:11:31 ID:Y63e6j/a
何はなくともGJ
命かわいいよ命

233 :恐い少女の奴:2010/08/14(土) 21:39:47 ID:EKVBy9hE
今回は以上です。
>>223->>226
恐縮です。一話のかな、遥と命の名前がごっちゃになってる箇所がありますね。
あそこでオナってるのは一貫して命です。申し訳ない。

260 :名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 21:50:50.51 ID:4/gtzMzm
∧_∧
( ´・ω・) 寒いんで、お茶を入れましたよ・・・。
( つ旦O
と_)_)  旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦


261 :名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 23:06:19.51 ID:1yZwd9VB
>>260
ありがとう
風邪も良くなったから
頂くよ
飲みながら怖い子の話を待とうかな

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